顧客情報:ゴルフスクール・練習場事業者、お住まい:首都圏、資産:約50億円
提供サービス:不動産投資支援(購入、活用、アドバンテージクラブ)、資産管理会社の設立、遺言書作成
代々、一族で所有する土地を使って行ってきた事業。土地が広大であればあるほど、運用・維持するのは難しくなってきます。後継者には経営手腕はもちろん、土地や資産の有効活用など難しい舵取りが求められます。
今回、ご紹介するのは、首都圏でゴルフスクール・練習場を経営するA様の事例です。厳しい経営状況の中、何とか事業を維持したいと希望されていました。そのためにどのような打ち手があるでしょうか。
課題 | 事業を継続するために、キャッシュフローの向上、納税資金の確保が必要 後継者がいない |
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提案 | 不動産投資支援(購入、活用、アドバンテージクラブ) 資産管理会社の設立 遺言書作成 |
事業継続のために、一族の財産を有効活用したい
70代のA様は、代々受け継ぐ広大な土地を利用してゴルフ事業を家業としていました。人口減少に加えて、人件費の高騰やコロナ禍の営業停止など、経営は悪化の一途を辿っていました。広大なゴルフ練習場の敷地以外にもさまざまな不動産をお持ちでしたが、それらもうまく活用できていませんでした。
「この事業に思い入れがあり、この先も継続していきたい。ただ、子どもは3人いますが、後継者はまだ決まっていません。収入減に伴い、固定資産税の支払いや大規模修繕等を見据えた資金繰りが苦しくなってきています。今は健康だけどいつか発生する相続への準備ができていなかったり、後継者が決まっていないため誰に何を相続したら良いか分からなかったりなど、将来についても不安が募ります」(A様)
そのような背景からA様は当社へご相談にいらっしゃいました。
収益効率の悪い不動産を見直し、収益性をアップ
まず私どもで行ったことは、財産の見える化です。現在と未来、そしてピンポイントと全体から財産の価値や収益、納税額はどれくらいになるかを見ていきました。
お客様の現状について分析したところ、想定される相続税額に対して手元の資金が不足しており、このままでは相続が発生した際にそれらをすべて売却して納税資金に充てるしか方法がない状態でした。
「このままだと事業を残すためには一族の財産を犠牲にしなければならないのか...」と落胆されるお客様へ、当社より以下の解決策をご提案いたしました。
- 不動産投資支援(購入、活用、アドバンテージクラブ)
- 資産管理会社の設立
- 遺言書作成
多数お持ちの不動産の中に、収益性の低いものがいくつかあることが判明したため、まずはお持ちの不動産の整理から行っていきました。所有する不動産を分類して、資産価値や収益性の低いものは売却し、他の財産に組み替える必要があります。
上手く回り始めた不動産投資を、法人設立でバックアップ
地方都市にアパートを2棟お持ちでしたが、都心から離れていることもあり、賃料は下落傾向。老朽化も進み、費用がかかる大規模修繕も検討しなくてはならない状況でした。まず 、こちらのアパート2棟と、恵まれた土地にありながら活用できていなかった駐車場の売却提案し、 その資金を元手に都心一等地の不動産を購入していただきました。
それらの収益が上がったところで、1口1,000万円から不動産投資が可能な当社「アドバンテージクラブ」にも投資いただきました。その結果、現預金が貯まっていくようになり、不動産投資が上手く回り始めたのです。
最終的に、懸念していた将来の相続税がすべてキャッシュで支払えるまでの収益を確保することができました。
資産管理会社の設立で納税額を適正化
「不動産の正確な価値や将来にわたる収益性を検証していただきました。そのおかげで、ゴルフ事業を継続するなら所有する不動産をすべて売却しなくてはならないといった窮地から、わずかに手放すのみで済みました」(A様)
これまで、不動産収入はすべてA様個人の財産となっていました。ゴルフ事業のみ法人とし、そこから家業を手伝う子どもたちに役員報酬を支払っていましたが、不動産収入は すべて個人のものとなるため、莫大な所得税がかかっている状況でした。
今回、新たに不動産投資を始めるにあたり、資産管理会社を設立。A様の奥様と子どもたちには役員として経営に参画してもらい 、役員報酬を出すことで所得を分散しました。これにより、 将来の相続税納税に向けた準備を進めることができるようになりました。
数珠繋ぎの関係性で、収益はほぼ倍に
不動産収入の増加で、ゴルフ事業を継続する見通しが立ったA様。
現在では、事業と不動産の両輪で収益は以前のほぼ倍となり、相続税についても納税できる見込みが立ちました。
「青山財産ネットワークスさんが『何でも聞ける存在』になってくださったことが大きかったですね。我が家の財産をトータルで見てくださるだけではなく、 さまざまな専門家とつながることができたので、不安なことは何でも相談していました」(A様)
ご家族全員を巻き込んで、そのご家族に合った「遺言書」を作成
一族の財産が守られたところで、承継に向けた「遺言書」の作成も実行しました。作成の際に重要なのは、「誰に何を相続するのか」という点。相続に伴い、「承継者は相続税を支払うことができるのか」「相続した事業や財産で収入はどうなるのか」といったことを検証しなくてはなりません。
また、家族全員の財産や状況、大切にしている思いを把握し、それに合わせて内容を考えること。そして、遺言書を作成するとともに 家族全員に伝えることを厳守しています。
家族全員を巻き込んで、課題やプロセスを随時報告することで、最終的な納得度は格段に上がるからです。
お客様が持つ「答え」を大切にすること
事業継続は難しいという状況だったA様。しかし、「それでも何とかして続けたい」というのがA様の中にある「答え」でした。ご相談にいらっしゃるお客様のほとんどがそうした答えを持っていらっしゃいます。「こうしたい」という思いはあるけれど、状況がそれに追いつかない、自信がなくて不安。だからアドバイスが欲しいとおっしゃいます。
私どもはその「答え」を大切にし、そこに辿り着けるように全体のバランスをとりながら実行する手段をご提案します。お客様自身が納得してその道を選べるように、いくつかの選択肢をご用意することも心がけています。ぜひ、お気軽にご相談いただければと思います。
- 相澤 光Aizawa Hikaru
- コンサルティング第二事業本部 第三事業部 副部長
不動産や法人を活用した財産防衛策の立案・実行に従事し、財産と想いを次世代に承継するための支援を提供。最適な選択肢を見つけられるよう、中立的な立場で家族全体の意向調整もサポートすることを信条とする。
当社の30年にわたるナレッジを集約した書籍を発行し、セミナー登壇実績も多数。
趣味:学び(税理士資格の勉強中)、ギター、サウナ
- 専門分野
- 土地持ち資産家、金融資産家向けコンサルティング
- 資格
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士
- 著書
- 「5つの視点」で資産と想いを遺す~人生100年時代の相続対策