2024.11.05
事業承継
計画・実行で終わりではなく、継続的な見直しとともに一族の未来を考える
顧客情報:上場会社、お住まい:首都圏、資産:約30億円
提供サービス:資産管理会社のアセットプランニング、不動産小口化商品(アドバンテージクラブ)の購入
事業承継の計画を策定した場合でも、その後の環境の変化によって、立案した計画や実行内容の見直しをしなくてはならない状況に直面することがあります。

今回、ご紹介するのは、首都圏にある上場企業の2代目・A様の事例です。先代ですでにさまざまな資産の組み換えを実行してきていましたが、所有している上場株式の株価が上昇したことで、納税資金の確保が難しい状況が予見されるようになりました。ここからどのように対策していけばよいでしょうか。
 
目次
1.会社の株価が上昇し、納税資金が足りないという危機
 1-1.状況に応じたプランニングで新たなフェーズへ
2.小口投資が可能なアドバンテージクラブでリスクヘッジ
 2-1.個人と法人の両輪で資産運用をしていく
3.子世代が一族の資産について知るきっかけ作り
 3-1.金銭的な資産だけでなく、ご家族が大切にしたいもの
4. 永続的なご家族の発展を見据えながら、それぞれに合ったご提案を
 課題 
  • 状況が変わり、納税資金が不足する可能性がある
  • 資産をどのように運用したらいいのかわからない
  • 資産管理会社を作ったものの、その後何をしたらいいのかわからない
 提案
  • 不動産小口化商品(アドバンテージクラブ)の購入
  • 資産管理会社のアセットプランニング

会社の株価が上昇し、納税資金が足りないという危機


首都圏のとある上場会社の創業家。現在は2代目に承継しています。

当社とのお付き合いは遡ること20年ほど前、 金融機関からのご紹介で、同社の資本政策に関わらせていただきました。承継については、「5つの視点」に沿って一通りのことは完了しており、現在も定期的に面談をしながら、継続的に一族の財産をコンサルティングさせていただいております。

素晴らしいことに同社の業績は好調で、最近では株価が上昇傾向です。しかしそれゆえに、このままでは先々で納税資金が足りなくなるのではないかと指摘させていただきました。

「資産のほとんどを会社の株と現預金で持っています。株価が上がってきているので、納税資金の確保に不安があります。別の方法で運用したほうがいいのでしょうが、何をしたらいいのかわかりません」(A様)

すでに資産管理会社も設立し、資産管理会社内に現預金を貯めている状況でしたが、株価上昇による納税資金の不足や将来的なインフレリスクを見据えて、資産の組換えができていない状況でした。

状況に応じたプランニングで新たなフェーズへ

長きにわたるお付き合いの中で、これまでも都度、状況に応じてプランニングさせていただいておりました。今回は同社の株価上昇、そして次の世代への承継が視野に入ってきた段階で、改めて「5つの視点」を見直すことにしたのです。

そこで、将来的な納税資金の確保やインフレ対策として、不動産の運用によって安定的に資産を増やしていくことをご提案いたしました。

具体的には、
  • 不動産小口化商品(アドバンテージクラブ)の購入
  • 資産管理会社のアセットプランニング
の2点になります。それでは、その内容についてご説明いたします。

小口投資が可能なアドバンテージクラブでリスクヘッジ

資産のほとんどを自社株や現預金でお持ちのA様。財産を守っていくためには、「納税資金の確保」と「財産の運用と保全」が必要でした。

そこで、安定した収益確保のために不動産投資を活用した方が良いと考えたのですが、当時投資に回せる現預金は2億円程度であったため、都心の資産性が高い不動産を購入するにはどうしても多額の借入が必要な状態でした。そこでお薦めしたのが、当社で取り扱う「アドバンテージクラブ」です。1口1,000万円からの小口投資が可能なので、気軽に始めることができます。東京都千代田区、中央区、港区をはじめとした資産価値の高い都内一等地の物件を取り扱っているため、安定した収益が得られます。

また、不動産を購入するとなると、管理が大変かと思われがちですが、アドバンテージクラブは当社でバックアップ体制をとっているため、その必要もありません。

個人と法人の両輪で資産運用をしていく 

特長的なのが、その高い流動性。投資をするなら流動性の高いものが理想ですが、売却することが難しい不動産は、一般的に流動性が低いと言われています。比較的少額投資であるアドバンテージクラブは一棟不動産より売却が容易なため、一定の流動性のもと不動産投資を行うことが可能です。

今回のA様については、実はすでに個人でアドバンテージクラブに投資されていらっしゃいました。これを資産管理会社のほうでもご購入いただくことで、個人と法人の両輪で資産を運用していくことができます。

これによって、すでに設立していた資産管理会社でも安定的な収益を上げることになり、将来への備えにつながりました。

子世代が一族の資産について知るきっかけ作り


「改めて資産の見直しをしていただき、将来のことを検討するうえで、子どもを巻き込んでくださったのが有り難かったです」

A様は効果があったと感じた点について、そうおっしゃいます。

今回のご提案では、財産を「保全」し「ふやす」ために分散投資が重要である旨をお子様世代にもお伝えするとともに、新設の資産管理会社設立や、その資産管理会社での金融資産運用を行っていく案もご提示させていただきました。

もともとお子様たちは親であるA様や会社の資産状況をあまり把握していらっしゃいませんでした。とはいえこれは特別なことではなく、一般に親の資産をよく理解しているという子どもは、実はそう多くありません。

親子といえど、お金の話は家族間でしづらいというご家庭も多いかと思います。

今回は、親子3代で当社とお付き合いのあるお客様であり、私どもが皆様の資産を把握することができていたため、全体最適の視点で、定期的なプランの見直しや運用のご提案が可能だったのです。

定期的な面談では、必ずお子様世代にもご出席いただき、現状のご説明とともに、自分事としていただけるような提案を心がけていました。 

金銭的な資産だけでなく、ご家族が大切にしたいもの

とはいえ、それは金銭的な資産の話だけに限りません。

親から子へと承継するうえでいちばん大切なのは、ご家族の思いや理念、価値観の共有です。ご家族の数だけ、その思いはさまざまです。単に資産を増やせばいいというのではなく、ご家族の永続的な幸せを意識したうえで最善を尽くしたい。

そのために、当社では「ファミリーオフィスサービス」を提供しております。世代を経るごとに薄れていきがちな一族の理念や絆を強く持つために、家族憲章を作成し、それを運用しながら後継世代に承継する仕組みづくりをサポートするサービスです。A様にもご利用を検討いただいております。

永続的なご家族の発展を見据えながら、それぞれに合ったご提案を


今回のお客様は、「5つの視点」をもとに繰り返しプランニングを重ねながら、定期的に見直しをしていくことで、将来への備えを強化することができました。


また、不動産投資が効果的だとわかったうえでも、A様は借り入れをして無理に購入するのではなく、今ある資産で運用したいという思いをお持ちでした。そこでご採用いただいたのがアドバンテージクラブの小口投資です。

私どもは、それぞれのご家族に合ったプランをご提案させていただくことを第一に考えております。

担当コンサルタント


コンサルティング第二事業本部
第一事業部 部長
松川 洋平

コンサルティング第二事業本部
第一事業部 部長
松川 洋平
・経歴
大手税理士法人での税務申告業務・相続事業承継コンサルティング業務を経て、2018年に青山財産ネットワークスに入社。事業承継を専門とし、上場企業から中小企業まで企業オーナー向けのコンサルティングに従事。

※役職名、内容等は2024年11月時点のものです。

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